家庭教師に今求められる資質
時代の変化と共に、求められるものが変化することがあります。それは家庭教師という職業にも当てはまります。
個人的に感じている時代の変化については前回の記事を参照。(^^♪
資質、と一言に言っても、範囲がかなり広くなってしまうように思いますが、今回は特に私が感じた3つのことを取り上げたいと思います。(*´ω`*)
個々の先生の「性格と人間性」→「学歴・実績」
しょっぱなからかなりシビアな内容になりますが。(;´Д`A “`
事前の聞き取りで、ご家庭から「こんな先生を派遣してほしい」というような要望をいただくことがあります。そして、実際にご家庭に伺うことが決まった時に、ご家庭から○○な要望をいただいているので、それを踏まえた上でよろしくお願いします、と先生に伝えられることがあります。
そして、このご家庭からの要望に変化が生じてきたように思うのです。
以前であれば、
「優しい先生がいいです。」
「おっとりした性格の先生がいいです。(うちの子もおっとりしているので)」
というものであったり、
「同性の先生がいいです。」
「子どもと年の近い、若い先生がいいです。」
など、自分の実績や学歴とは関係ないような「子どもとの性格面での相性」「人間としての魅力」「子どもにとって身近なお手本となれるような人間性」が問われているように感じていました。それは、勉強面だけでなく、子どもの人としての成長にも関わってほしい、という願いが含まれている表れだと私は感じています。
では、最近ではどうなのか。
「出身大学は○○か、同レベルぐらいの大学を卒業している先生がいいです。」
「○○学校の受験の指導経験がある先生がいいです。」
「○○学校かそれ以上のレベルの学校の合格実績のある先生がいいです。」
…等、その先生の学歴+指導力、合格実績がある信頼できる先生なのか、を重視されるご家庭は増えている傾向にあると感じます。
もちろん、そうした考え方のご家庭が今のスタンダードだとか、全てだということを主張するつもりはありません。あくまでも割合として見聞きすることが増えたなぁ、という実感です。
そこには、ご家庭が先生を選ぶ時に、誰が主に選んでいるのか、ということも関係してくると思います。
それぞれのご家庭で話し合った上で判断されているとは思いますが、以前はどの先生に来てもらうかは、子どもに任せている、というような保護者の方もいらっしゃいました。実際、もう何年も前の話ですが、私が家庭教師に伺ったお宅の子どもさん本人に「どうして私を選んだの?」と聞いたことがありました。すると、「顔!」と即答されて、「え、そこ?」と思ったことがありました。(笑) よくよく聞いてみると、優しそうな顔をしていた、と言われましたが。(*´ω`*)
これも可能性の話にはなりますが、授業を受けるのは子ども本人なのだから、子ども本人に担当教師を選ばせるパターンから、学歴や合格実績など、ある面子ども自身は読み取りにくい情報を信頼材料として、保護者がどの先生が子どもに相応しいかを選定している、というスタイルになってきているのかもしれません。
そこで求められるのが学習内容に関する確かな知識
今から家庭教師という仕事を始めようとしておられる方にとっては、この学歴+実績は、条件として厳しい面はあると思います。
ましてや学生のアルバイトとして始める場合、出身大学も何も大学を卒業していない、という状態である場合がほとんどです。
今、先生本人の人間性というよりも、そうした学歴や実績が求められていることを考えると、人間性で勝負するにはアピールポイントとしては弱くなってしまいます。
経験をカバーするのが知識です。
この教科のこの分野は詳しいです。
英検・漢検の勉強に関しては、〇級持っているので指導できます。
自分自身、受験勉強した結果、○○学校に合格しました。
…等、自分の得意分野をはっきりさせること、また指導実績はなくても、自分の知識を証明するような自分なりの「実績」を添えて、それをアピールポイントにすることです。また、知識を増やしていくためにも、しっかり準備すること、教材研究を行うこと等が関係してきます。
話過ぎず、子どもの良い聴き手になる
3つ目のポイントは、一方的に話しすぎない、ということです。集団の塾ではなく、個別指導を希望されている理由の一つは、子ども自身にもっと注意を向けてほしいということにあります。
それでイメージとしては、説明する、というよりは見守る、という言葉の方が近いのかもしれません。
そして、自分が感じていること、悩んでいることを話したいと感じていたり、日頃の生活でストレスを感じている子どもは非常に多いのではないかと思います。子どもとの信頼関係をまず築いてからの話にはなりますが、子ども自身の話すことをよく聞くことが大切なのではないかと私は感じます。
案外、話を聞いてもらってスッキリして、気持ちも落ち着いて、結果成績が上がる、という場合は少なくありません。当然、毎回勉強とは関係ない話ばっかり、というのも問題ですし、テスト前ともなれば、そんなことは言ってられない状況になったりもしますが、子どもの側に「この人は話をよく聴いてくれる先生だ」という認識があれば、こちらの話すこともよく聴いてくれるようになります。
良い聴き手になる、かつ効果的な授業をするために求められるのは、
学習内容をできるだけ簡潔に分かりやすく説明すること、上手に質問出来る人になることです。
こちらのしゃべる内容が多くなってしまい、だらだらと話してしまうなら、子どももだれてしまいますし、間に入って自分の話したい内容を話し出してしまって話の内容がそれてしまうことがあります。そこでいかに効率よく説明するか、ということは大事です。
また、自分が説明する代わりに質問しながら、子ども自身に説明してもらったり、子ども自身の学習内容とは関係のない話を聴いたりする上でも、子どもの考えを引き出すために上手に質問する、というのは大切です。
質問することによって信頼関係を築くことができる面もあります。
こうして見てみると、家庭教師という仕事には、シビアな面もある反面、やりがいも多い仕事であったり、自分自身の成長にもつながる仕事であることが分かります。
これから始めようとしておられる方、始めようか迷っておられる方の参考になれば幸いです。(´▽`*)
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