どうして勉強しないといけないの?という子どもの疑問にどう答えるか

どうして勉強しないといけないの?という子どもの疑問にどう答えるか

テストの時期になると、そんな疑問をぶつけられたことが1度ならずあるのではないでしょうか。

「こんな勉強やっても将来何の役にも立たない。」

子どもが言わんとしていることは分かります。問題はスマートな返し方です。

将来のため。

立派な大人になるため。

勉強は子どもの務め。

社会の有用な一員になるため。。。。

等々、いかにももっともらしく聞こえるお手本とも言える答えはすぐに思い浮かびますが、子どもが目的意識を持って勉強してくれるには、少しぼんやりとしすぎている。こうした抽象的な表現をもっと具体的に表現するとどういった言葉になるのでしょうか。今回はそんなことを考えてみたいと思います。

勉強しないおっと~くん

社会に出たら経験するあらゆる不条理なことに備えるため

お手本アンサーの1つとして、よく使われるフレーズです。役に立たないと思える学習内容、さらには嫌いな教科、というのは誰しもあるものですが、世の中自分の好きなことだけをして生きていけるほど甘くはないよ、という考え方です。

一理あるように思いますが、答えとしては、かなりネガティブなものである、という問題点があるように思います。

仕事をする上で、全部が全部楽しいことばかりではない、というのは事実ですが、わざわざ自分から苦手な仕事内容を請け負うのは効率も悪いですし、ぐっとこらえる必要がある場面もありますが、しなくてもよい我慢というのはあります。何よりも問題を解決するための具体的な努力を一切感じることができません。

決まりを守る、秩序を守る、というのはある面大切ですが、不条理な作業を繰り返して自分を訓練するよりも、そうした問題が生じた時に、どういう考え方ができるか、どんな風に相手に伝えたら自分も相手も傷つくことを避けられるだろうか、というコミュニケーションスキルを磨く方がはるかに重要に思えるのです。

人とつながるためには共通の認識、知識のストックが大切

ポジティブな表現に変えるとするとこういうことになるのではないでしょうか。

誰もたった一人で、誰の助けも借りることなく生きていける人はいません。答えは必ずしも1つではないと思いますが、

社会に出ること=上手に人とつながれること

と言えると思います。そして、人とつながったり、コミュニケーションを図る上で大切なのは、共通の話題です。

学校の勉強で、自分の将来や自分自身とは直接関係のないような内容に思えても、学習内容を理解するということは、自分が共通の話題として持ち出せる知識のストックを蓄積していっているようなものです。自分にとって関心の薄い内容であっても、他の人にとってはそうではないかもしれません。さらにはその知識のストックが、もっというとその知識をストックするためにしてきた勉強法が、本当に将来役に立たないかどうかはまだ分かりません。

知識の良い面の一つは、知識が経験のなさを埋める上で役立つ場合がある、ということです。

まだ若いから分からないでしょ?と言われるような場面でも、知識があれば、年上の人とも話すきっかけになったり、自分の世界が広がることにつながるからです。

自分の適性を見分けるだけでなく、あらゆる分野に興味をもったり、一見面白く思えなくても興味の持てそうな部分を探したりすることは決して無駄ではないはずです。

そしてこうしたことを全てを一言でまとめると、「将来のため」という振り出しの質問に戻ってくるのではないかと感じます。(*´ω`*)