英検S-CBTとは何?従来の英検との違い
2022年6月1日更新
年に3回実施される英検。
学生の方は多くの場合、定期考査と時期がかぶることが多いため、勉強時間を確保するのが大きな課題となることが少なくありません。。。
それでも、特定の級以上を持っていると、入試の点数に加点してもらえたり、英語の試験そのものが免除になったりと何かとお得感のあるもの。
そこで、選択肢の一つとして考えたいのが、英検SーCBTです。
今回は、まだなじみのない英検SーCBTについてまとめるとともに、従来型の英検と比較して、メリット・デメリットについても取り上げます。
英検取得のメリット
そして、学生を卒業された方にとっては「あるある」かもしれませんが、社会人になってから英検を受験するにはかなり気持ち的に「よいしょ」が入ります。よほど必要性を感じる事態に直面しているか、強い意志がない限り、なかなか軽い気持ちで受けようかなぁ、とはなれないものです。
また、社会人になると、英検、というよりもどちらかというとTOEICやTOEFLを受験する傾向が強くなります。仕事で活用する、となるとこちらの方が便利である、ということだと思います。
なので、1つ言えることとしては、「英検は学生時代の英語学習の集大成」になり得る、ということです。
意識して受験してれば、もっと上の級を取得出来ていたはずなのに、結局1回だけ受験した4級しか持っていない。人に言えるほどの級でも履歴書にかけるほどでもない、という残念な結果になってしまうかもしれません。
忙しい生活の中でも学生のうちに2級取得までは目指しておきたいところ。
それでも課題はやはり勉強時間の確保
そりゃぁ、持っているに越したことけど、勉強する時間がない。。。
ほとんどの学生さんはそうだと思います。ただ、学生にとって一石二鳥的に言えることとして、英検の勉強は入試対策などの受験勉強にも通じるところがある、ということです。勉強時間が必然的に受験勉強の時間にもなるわけです。
実際、一般的に英検3級が中学卒業程度、英検2級が高校卒業程度の難易度と言われています。中学卒業までに3級、高校卒業までに2級取得を1つの目標にすることもできます。
また、従来の英検は年に3回の開催のため、以前は3ヶ月かけて英検の勉強をしなさい、とよく言われました。
1ヶ月で単語・文法、1ヶ月で中文・長文問題、1ヶ月でリスニング・実戦形式の過去問・・・みたいな感じで。
ただ3ヶ月、毎日コツコツと勉強する、というのはなかなかできることではありません。
短期集中、という方が間延びせず効率的に勉強できる場合があります。
英検S-CBTを受験する
英検S-CBT、正式名称は「英検2020 1day S-CBT」。だそうです。
最大の特徴は受験できる回数の多さです。
実際、ホームページを見てみると、地域にもよりますが、毎週土日、受験することが可能なそうです。そうなると、短期間で複数の級を受験・取得も容易になります。
また、従来の英検ですと、3級以降は一次試験合格後に二次試験があり、1日の受験での資格取得は不可能です。
その点英検S-CBTは、二次試験の面接をするのではなく、吹き込み形式のスピーキングテストで1日での資格取得が可能です。
ここまでではメリットばかりあげてきましたが、逆にデメリットは何でしょうか?
まず、受験できる級が限定されている、ということです。準1級から3級までの級が現在のところ受験可能だそうです。ただ、従来の英検も、4級までは二次試験はありませんので、1日で資格取得可能、という観点からすると、あまりデメリットにはならないかな、という感じもします。あとは1級を取得したい、という方にとっては利用できないものになってしまいます。
また、従来の英検と併願して受験できる、というメリットもありますが、1度申し込んだ検定はキャンセルができません。受験機会を広げるために併願したとしても、合格後、申し込んでしまったものをキャンセルすることはできないので、よく考える必要はあります。
そしてこれは、メリットにもデメリットにもなりますが、スピーキングテストの部分は対面の面接ではなく、ヘッドセットをしてパソコンに向かって声を吹き込む形になるので、苦手だと感じられる方はいらっしゃるかもしれません。対面の方が緊張する、と感じられる方もいらっしゃると思いますが、対面の場合、リアルなコミュニケーションなので、自分がうろ覚えの単語を必死で説明している時に意図を組んで助け舟を少し出してくれたり、質問の意味を少し尋ねてみたりすることもできます。要は一生懸命話そうとしている、ということが相手に伝わりやすい利点があります。対面の方が話しやすいし、単語も自然と出てくるタイプの方には、このタイプの試験はデメリットになるかもしれません。
それでも、ここまでで総合すると、メリットが多いように思える英検S-CBTですが、最大のデメリットは何だろうかと考えた時に、まだまだ認知度が低い、ということではないでしょうか。従来の英検と同じ資格価値があるもの、とされてはいますが、英検S-CBTで取得しました、と言っても「何それ?」となってしまうこともまだあるのかなと思います。
入試や就職試験の場で「何それ?」状態にはならないかもしれませんが、歴史の浅いものに対する信頼感の弱さ、のようなものはあるかと思います。実際、入試や就職試験の面接の際に、「それは従来の英検?それともS-CBT?S-CBTだったらちょっと認められないかも」という可能性も出てきます。認知度が低いということは、いくら主催者側が同等の資格価値をうたっていたとしても相対的な信頼性が低い、ということになってしまいます。どれほど多くの学校が、入試の際に、S-CBTで取得した分も、加点対象と認めてくれるかどうかに関しては、少し不透明なところがあるのも現実です。
仮に英検S-CBTそのものが何年か後になくなってしまった場合、資格価値そのものが下がってしまうこともなくはないかなと感じます。
総合すると
準1級から3級の資格取得の場合、吹き込む形式のスピーキングテストのハードル、また従来の英検に比べると、認知度が低いということが気にならなければ、ある程度メリットの多いものだということが分かります。認知度が低いと言っても、資格は生涯有効、従来の英検と同じ資格価値があるもの、とはされているので、卒業前に自分の実力を試す、もしくは生涯学習の一環として、という観点からするとよいものかもしれません。
気軽に取得できるのはメリットかもしれませんが、入試・就職で活用したい、という場合には、従来型の英検を余裕を持って受ける方が「固い」ようです。
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